you.の足跡

私you.が書きたいことを書くだけの日記です。ジャンルは、思想・音楽・自然科学など様々です。

文学の崩壊は文化の崩壊

こんばんは、you.です。  倉田百三の『青春をいかに生きるか』を読み始めてはや3日目。正直読むのがだいぶつらくなってきました。辞書を引いては、意味を書いて読んでいく。また辞書を引いての繰り返し。英語を訳しているのと全く変わらないのです。    先日、僕の「先生」とお話する機会がありました。先生はとても教養があり、人間的にも知識的にも、全てにおいて尊敬している人の1人です。というか、僕が心から尊敬している人はこの人しかいないといっても過言ではありません。 倉田百三の本は全て、その先生から頂いたものです。先生が高校時代に読んだものらしいのです(今65歳ほどらしいので、かなり物持ちが良いですね笑)。先生と話していて気付いたことがあります。先生は、高校時代にすらすらと、辞書を引かずとも倉田百三を読めたと仰っていました。凄くショックでした。いくら学力に差があったからとはいえ、昔の高校生でも読めるものを今の20歳が読めないなんて。確かに、時代背景はあったと思います。当時は旧漢字を使っていたし、文章の書き方(文法)も、当時の常識だったはずです。読めて当たり前とも言えるかもしれません。 僕は、旧漢字や昭和初期の文体の読み方を教えない教育に問題があるなと思いました。生き方論は、いつの時代でも流行ります。それを、その時代の知識人が、書にするものです。その本を凡人は読んで、自分にない発想を補うものです。これから文化が作られるわけです。  その本が、文体や漢字の問題から読めなくなってしまうとすると、当時の文化が引き継がれなくなってしまいます。表面の、産業や技術の文化しか引き継がれない。倫理や教養は、そこでストップしてしまう。これは文化の根本が引き継がれないことと同じです。