you.の足跡

私you.が書きたいことを書くだけの日記です。ジャンルは、思想・音楽・自然科学など様々です。

福岡伸一『世界は分けてもわからない』

 

こんばんは、you.です。

 

 またまた本を買いました。今回は、生物学者でありながら文章が滅茶苦茶上手い、福岡伸一氏の『世界は分けてもわからない』です。福岡氏は、生物と自身の研究者としての体験を上手く融合させた作品『生物と無生物のあいだ』で一躍有名になった生物学者です。僕は『生物と無生物のあいだ』を読んで福岡氏のファンになりました。とにかく文章と、全体の構成が上手い。話が飛んだなと思ったら、その伏線がすぐ後で回収される巧みな構成が、個人的にツボです。

今回買った『世界は分けてもわからない』は2009年7月に発売されたものです。ちょうど、『生物と無生物のあいだ』の次の作品らしいです。

 

 内容としては、前作と同じく、生物学と物語を上手く組み合わせたものとなっています。生物の勉強をしていなかったら絶対知らないような専門的なことから、研究者としての生活、絵画のことなど、様々なストーリーが用意されています。全く関係ない事柄同士ばかりのように見えて、これらのストーリーは1つのキーワードで繋がっています。それはタイトルにもあるように「分ける」ということです。

 

これらのことから分かるように、この本は科学を文学しています。生物学が最も美しく見えるように、文学として表している。生物学に少しでも興味があればサクサクと読み進められると思いますし、難しいと感じるところは少々飛ばしても全く問題なく、筋道を理解することは出来ます。

前作の『生物と無生物のあいだ』より生物学的要素が強いです。前作を読めた方なら、この作品も難なく理解できると思います。「生物よくわかんないんだよね」という方は、前作を読むほうが良いと思います。